医療機関に近い薬局が選ばれており、医薬分業への理解は低い

患者の待ち時間は重要なファクター

処方箋を渡された医療機関の種類や場所に関係なく、患者は調剤を受ける薬局を自由に選択することができます。

自分の病歴や薬歴を把握し、健康に関して気軽に相談できる「かかりつけ薬局」を自宅や勤務先の近隣などに持つことが理想です。

処方箋を受け取った薬剤師は前回の処方の比較を行い、他科受診の有無、体調変化、残薬確認を行い、問題がないかを確認したうえで調剤業務に入ります。

調剤をしてもらう薬局を1箇所に決めておくことで、重複服薬による相互作用の防止が可能になるのです。

しかし、現実には「かかりつけ薬局」が患者に浸透しているかは疑問です。日本薬剤師会が公表した「薬剤師の将来ビジョン」によると、患者や顧客が薬局を選択する際「いつも同じ薬局を利用している」と回答した人は34.8%にすぎず、「調剤とOTC医薬品は別の薬局」が41.9%、「ひとつに決めていない」は19.7%となっていました。

薬局を1つに決めていない理由として最も多いのは「調剤薬局は医療機関の近くを利用している」が63.5%で、次いで「処方箋を持参する薬局はOTCを扱っていない」が22%、「処方箋がないと薬局は入りづらい雰囲気がある」という回答も12%ありました。

医薬分業率が64%に達しているにもかかわらず、「医療機関が近いから」という理由で薬局を選ぶ患者が多いということは、かかりつけ薬局のメリットを患者が認識していないか、必要性を感じていないことが推測されます。すなわち、医薬分業のメリット(薬剤師によるダブルチェック、服用支援、服用に際しての薬学的判断など)が理解されていないことになります。

分業の理解が進まない理由の一つとして「待ち時間」が挙げられます。患者は既に医療機関で待たされており、薬局で再び待たされるのは避けたいというのは自然な感情です。

薬歴の算定要件や調剤指針には「処方箋受け付け後、薬を揃える前に患者に確認するように努める」としており、患者からの情報収集や問題点を発見した跡、調剤に入ることを求めています。調剤業務を対患者と対物に分けて、対患者を優先するように求めたものです。

これによって「患者一人のためにここまで確認を行い、間違いのないように適切に対応しています」ということが理解してもらえれば、「待たされた」という感覚は薄らぐでしょうし、「薬局での調剤の意義」も理解されると思われます。

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