新薬の有効性と安全性を追跡調査する市販後調査(PMS)

新薬が開発され一般の人たちに使用されるようになるまでは莫大な時間と費用がかかっていますが、その薬の有効性、安全性は治験という限られた人数でしか確認されていません。

治験では、合併症のない、比較的状態の良い少数の患者さんに投与されたに過ぎません。小児や高齢者、あるいは妊婦や腎・肝機能障害の患者など特殊な患者群までの検討は行えないのが現状です。さらに、ほかの薬との併用する場合、それぞれの相互作用の全てを確認することは不可能です。

医薬品の構造式等から予想できる副作用は事前に防ぐことは不可能ではありませんが、医薬品は人体に入った時に、各々の体によって吸収、代謝、排泄機能が異なってくるため、その作用の現われ方にも差があり、医薬品を製造する段階では想定できなかった副作用が生じる可能性もあります。

そこで製薬メーカーに義務づけられたのが、新薬の発売後にその有効性と安全性を調査し、治験の段階で得られなかった医薬品の適正使用についての情報を収集し、副作用に関する報告書を管轄する公的機関へ提出する「市販後調査(PMS)」です。

PMSは、①再審制度と安全性定期報告、②再評価制度、③副作用・感染症報告制度で構築されています。これらの実施はGVP(医薬品の製造販売後の安全管理基準)とGPSP(医薬品の製造販売後の調査および試験の実施基準)で厳格に運用されます。

具体的には、「市販後直後調査」においては、一定期間(新医薬品は6年、その他4年)市販後の調査と試験が義務付けられています。製薬会社は、医療機関に使用成績調査あるいは臨床試験を実施して、有効性と安全性を確認します。

これらの調査と試験は、GPSPで運用されます。この期間中は「安全性定期報告」により、半年あるいは1年ごとに調査結果を集計・解析し、国外の情報を含めて厚生労働省に報告します。これらの調査結果をもとに、有効性と安全性を再確認します。

再審査機関が終了しますと、全ての医薬品を対象とした「再評価制度」により、最新の医学・薬学の水準で、随時、有効性と安全性そして品質の見直しを行い、その医薬品の存在価値、使用制限などを評価します。

市販後調査(PMS)のお仕事は内資・外資を問わず製薬企業で募集が活発に行われています。PMS分野が未経験の方でもOKの求人もありますが、多くは看護師・薬剤師の資格保有者で既にPMS業務に携わった経験のある方、あるいはCRA(治験モニター)またはCRC(治験コーディネーター)の経験がある方を対象とした案件です。

近年は海外副作用報告を取り扱うことから、TOECで600点レベル以上の英語力が求められるケースも増えてきています。外資系の製薬企業なら730点以上は欲しいところで、860点以上のレベルならば転職の際に大きな武器になるでしょう。

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