調剤しかできない薬剤師は淘汰される時代がやってきます

患者の相談窓口的な役割を期待

これまで比較的順調な歩みを続けてきた調剤薬局ですが、高齢社会の進行、財政逼迫の中、医療をはじめとする社会保障制度そのものが大きな局面を迎えています。

医療提供体制では、病院の機能分化と連携、在宅医療へのシフトと地域包括ケアシステムの推進等の課題に直面し、一方では消費税の引き上げなど、国民負担の増加や給付制限が避けられない見通しになっています。

調剤薬局業界を見ると、現状でも過剰な拡大出店、競争激化、処方せん調剤の伸び悩み、後継者不足などの経営面の課題があります。また、業務内容に関しても、厚生労働省や医療関係者、患者団体から医薬分業の費用対効果に対する厳しい指摘がなされるようになってきました。

このことは、変化が目まぐるしい状況にあって、変わろうとしない調剤薬局、薬剤師への不満であると同時に、期待への表れでもあります。では、調剤薬局、薬剤師は今後どのような方向を目指すべきなのでしょうか。

いくつかの選択肢が考えられます。医療提供体制が「1医療機関完結型」から「地域完結型」に移行するとき、調剤薬局もまた、門前薬局を中心とした特定医療機関依存型から地域依存型に移行せざるを得ません。

地域薬局の薬剤師の仕事は、生活者の健康の維持・増進のための啓発・支援、セルフメディケーション支援、医薬品の適正使用のための服薬支援、生活主観の改善支援、医療機関との連携など、多岐にわたります。薬局で患者を待っている処方せん調剤だけでなく、健康をふくめた生活全般をケアする役割、つまり「プライマリ・ケア」の役割を担うことが期待されます。

地域薬局は気軽に相談できる医療者が存在する場所であり、医薬品の適正使用を推進するために、医薬品の必要性、有効性・安全性を評価するだけでなく、保険、医療、介護、福祉分野に関する最初の相談窓口としての機能を発揮することもできます。

薬剤師には医療用医薬品、OTC医薬品、サプリメント等の相互作用や副作用、疾病、健康管理まで幅広い知識が必要となります。そこでは必然的に医師や介護職員など他職種、行政、生活者と強調し連携する体制が生まれます。特定の分野ではなく、幅広い知識・技能を評価する「プライマリ・ケア認定薬剤師」の登場も、地域薬局の薬剤師に対する今後の方向性を示すものといえるでしょう。

「免許を持っているだけ」、「調剤しかできない」という薬剤師は淘汰される時代が、すぐそこまで迫ってきています。

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