調剤棚と分包機
近年使用されている調剤棚は、錠剤棚、水剤棚、散剤棚などのユニットが分かれているため、薬局の調剤室の広さと取り扱う薬品内容でカスタマイズできるようになっています。
散剤やバラ錠剤などを分包する分包機は、散剤をV型のマスに粉を均一にならし自動的に分包紙に分包していく自動タイプ(Vマス型)と、投入口に薬剤を投入すると自動で回る円盤に少量ずつ投下され均一に分割分包していく全自動タイプ(円盤型)が汎用されています。
全自動タイプは手間いらずで、均一に仕上げることができる一方で、少量かつ少ない包数を分割する場合にはむらが生じやすいうえに、時間がかかることもありますので、Vマス型の方が使い勝手がいいこともあります。
どちらのタイプも、錠剤は別の区画に手でまき分包するのが標準仕様ですが、別のシステムを追加すると50種前後の錠剤の一包化が自動でできるものもあります。また、印字機能が搭載されたものは、分包紙に患者さんの氏名、服用時点、薬品名などを印字することもできます。
コンプライアンス(服薬遵守)向上を目的に一包化の調剤が増加傾向にあるなか重宝しているのが、100~300種の錠剤を一気に一包化できる全自動錠剤分包機(タワー型)です。ただし、ヒート品とバラ品の療法必要であることから在庫が増えることと、機器が高額なのがネックです。
電子天秤と錠剤粉砕機
散剤を計量する際、上皿天秤よりも便利で計量ミスも少ない電子天秤は薬局で是非とも採用すべき機器のひとつです。オプションで、薬品のバーコードを使い監査システムを連動することも可能です。
錠剤粉砕機は、嚥下困難患者のためなどに錠剤を粉砕する機器です。市販の食品用の粉砕機でも代用は可能です。
レセコン(レセプトコンピュータ)
保険薬局で保険調剤を行った場合の医療費は、厚生労働大臣によって公的に定められています。これを調剤報酬と言い、患者さんからは負担割合に応じた一部の窓口負担金として徴収し、残りは保険者に請求します。この計算を自動で行うコンピュータをレセコン(レセプトコンピュータ)といいます。
最近のレセコンには、調剤報酬明細書の作成だけでなく、禁忌、常用量、投与日数、相互作用などに問題がある場合に注意喚起マークを表示したり、投薬履歴の一覧表示で処方監査、服薬指導に利用したりする機能が登載されているものも登場しています。
薬品在庫効率を向上させる在庫管理システムや、薬袋や薬剤情報提供所などの自動発行システムなどもあります。
電子薬歴機
医療機関で電子カルテが普及するなか、薬局においても、省スペース・作業効率の向上などに利便性が高く、かつ服薬支援のツールとしても役立つ電子薬歴機が数多く登場してきました。一元性にかけるなどの問題点も指摘されていますが、今後はレセコンとともに連動させて導入が進むと考えられています。