入院調剤室では処方箋どおりに薬剤を調整して準備をします

病棟勤務5年目の薬剤師のTさんは、これまでに入院・外来調剤室、外来窓口、外来化学療法室などの配属先を経験し、この4月から入院調剤室に配属されました。

入院患者さんの処方箋には、1週間分の薬を処方できる「定時処方」と、5日分までの「臨時処方」、翌日分、あるいは休日分だけの「時間外処方」、退院後2週間分の薬が出せる「退院処方」があります。

「定時処方」のほうが時間的に余裕を持って準備できますし、服薬状況の管理も楽ですので、毎日決まって飲む薬については締切日までに「定時処方」を発行するように医師に依頼しています。

しかし、医師はその他の業務に忙殺されることも多いため、定時薬についても薬がなくなってから慌てて「臨時処方」が出されることも多く、薬剤師としては大変です。

医師が臨時処方を発行すると、調剤室の端末から処方箋が印刷されます。搬送システムあるいは看護助手、研修医によって処方箋が直接届けられることもあります。処方箋の内容が確認できたら、薬袋をプリントアウトし、調剤担当の薬剤師に渡します。

調剤室では、自動分包器などの器械も使いながら、処方箋どおりに薬剤を調整して準備します。最後に、監査担当の薬剤師が薬袋の記載内容と調剤された薬剤が一致していることを確認・捺印して、薬が病棟に届けられます。

Tさんは薬局の当直をすることもありますが、当直帯では人が少ないので、処方箋の確認から調剤、監査までの全てを一人で行わなければいけないことも多く、責任重大です。特に小児の患者さんでは、投与量も体重によって異なりますし、錠剤ではなく散剤(粉薬)を調剤しなくてはならないので、非常に緊張します。

午後は点滴調剤室に配属です。ここでも医師の処方箋をチェックすることから仕事が始まります。点滴調剤室では、グリーンベンチと呼ばれる清潔エリアで、薬剤師がブドウ糖や蒸留水をバッグに分注して点滴を調剤しています。

Tさんは内科の病棟薬剤師でもあります。点滴調剤室での業務が落ち着いたので、病棟に上がって患者さんの服薬状況をチェックします。翌日退院する患者さんから、入院中の薬の効果や、家で飲んでいた薬との飲み合わせについて質問されたので、患者さんが持っている「お薬手帳」を確認しながら説明をしました。

この日のお仕事はこれで終了です。明日は夕方に病院で新しく採用する抗がん剤についての勉強会が予定されているので、帰宅後もゆっくりする時間はなく、参考資料で予習を行いました。

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