近年は40~50歳代のミドル・シニア層にも人気のドラッグストア

接客や経営に関する手腕も求められます

一口に「ドラッグストア」といっても調剤業務を行う所もあれば、健康食品、衛生材料、衛生用品などの幅広い品揃えを販売する所があるように、店の特徴は千差万別であり、薬剤師に求められる役割も多岐にわたります。

近年は、店舗内に調剤室を設けて処方箋を応需する「調剤併設」のドラッグストアが増えています。その場合、調剤薬局と同様の「調剤から投薬」までの一連の業務遂行も行います。

調剤併設のドラッグストアでは、薬剤師の業務について、「調剤だけお願いします」という店舗と「調剤とOTC薬販売の両方をお願いします」という店舗に分かれますが、最近は後者の場合が多くなっています。したがって、調剤併設のドラッグストアでは、「調剤しかやりたくない」という薬剤師は歓迎されない傾向にあります。首都圏の大手ドラッグストアでは、調剤、OTC医薬品、化粧品部門をローテーションで担当するところもあります。

ドラッグストアの薬剤師にとって業務の中心と期待されるのは、OTC薬の販売となります。薬剤師は、顧客(患者)から医薬品に関する疑問や要望、あるいは自身の症状を聞いたうえで、最も適したOTC薬を選択して、服薬方法の指導を行います。

薬効や体質を考慮し、顧客が希望しているOTC薬と異なる、別の薬を薦めることあれば、OTC薬で対応できないと判断して受診を勧めることもあります。さらに、処方箋を持ってきた患者が併せてサプリメントも購入することがあります。その際には、処方箋に記載された医薬品とサプリメントを併用して問題ないのか判断を行うのも薬剤師の仕事です。

このように、患者の容態や緊急度に合わせて最適な選択を行うことを「トリアージ」といいますが、トリアージは薬剤師として、もっとも大きな責任を負う場面であると同時に、一番やりがいを感じる場面でもあります。

一方、ドラッグストアではサプリメントや衛生用品、生活雑貨など多様な商品も販売されているので、こうした商品についても「品出しや販売」を行う責任があります。多くの店舗では、正社員である「薬剤師」=「店長」となっているので、アルバイトの採用やシフトの調整、売上やコストの管理、仕入れの発注など、店舗の経営に直接関係する様々な業務も求められます。

最近は、予防医学やセルフメディケーションへの関心の高まりを受け、顧客(患者)と直接触れ合うことのできるドラッグストアに勤務したいという薬剤師の方が増えてきています。実際、ドラッグストアでOTC薬販売などを経験した薬剤師からは「健康な人から病気の人までさまざまな顧客と接するので、以前の職場と比べて、コミュニケーション能力が向上した」という声をよく聞きます。

中堅・大手のドラッグストアは研修制度が整っていますので、製薬会社や化粧品メーカーなどを早期・定年退職した方のセカンドキャリアとしても人気です。

しかし、ドラッグストアで働く全ての薬剤師が、顧客(患者)の相談に応じているかといえばそうではありません。毎日の品出し、値付け、レジ打ち等に忙殺され、顧客が相談しようにも薬剤師を見つけるまでが大変という状況も見られます。そのため、希望に燃えて入社しても1年も経たず退職するケースもあります。

このような状況が生まれるのは、薬剤師の不足が根本的な原因ですが、ドラッグストアへの転職をお考えの方は、そのドラッグストアが登録販売者を有効活用し、薬剤師はその専門知識を活かせるカウンセリング業務に専念できる社内体制が整備されているかをしっかり見極めるようにしましょう。

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